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おまけ

おまけのひとり言(秋)

禅隆寺さんの紅葉

今年もやってきた。
「真紅の季節」。

カメラのレンズを通して風景を切り取ってしまうと、まるで絵葉書のよう。
禅隆寺さんの庭に立ち、真っ紅に色づいたあの紅葉をどう表現したらいいだろう。

11月後半。
いよいよ寒さが深まってくる。
今夜は冷え込む。

その翌朝。
楽しみにして禅隆寺さんを訪ねると……。

萌え出るように紅が強まり、あの驚きと感動を与えてくれるあの紅。見る者を一瞬にしてとらえ、迫ってくる。
木の下にたたずみ、庭の一員となって紅葉を眺めたときのあの感動。

どう伝えたらよいだろう……か。残念ながら筆力はない。
だからこそまた来年が楽しみになる……。

禅隆寺さんには、山門の左側に黒板がある。
いつも何も書いていない。
右の写真の一番上のようになっている。
もっともらしいことが書いていないことが良い。
そんなことを以前お伝えした。

今年。
注意深く観察していると、絶好のタイミングを見計らって禅隆寺さんの黒板が真ん中のようになった。

12月3日。
「ありがとうございました」とメッセージが書き加えられ、一番下の写真のようになった。
通りがかりの人が、黒板を見てふっと見て立ち寄ったのだろうか。
それとも毎年毎年、最高の紅を楽しみにしている近所の方がいるのだろうか。

メッセージを出す側と受けとる側の絶妙のタイミング。
華美な言葉がなく、シンプルに伝えるべきことを、そっとやさしく。
2WAYの究極の形がここにある。

作れば売れる。大量告知に大型キャンペーン。
広告による絨毯爆撃をいかに派手にやるか。
紙爆弾をいかに落とすか。そんなことばかりを考えて生きてきた。

大切なお客様のメッセージを確実に届ける。
そして行動していただく。
こうしたことを生業としている人間として学び、考えつくさなければならないことはとても多い。


【2106】

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