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その課題、広告で解決できます。
この事例、広告戦略に活かせます。

広告は、様々な課題を解決していくための有効な方法です。
例えば、まだ誰も知らない新商品を、どうすれば多くの人々が認知できるか。
狙ったターゲットが商品を購入するためには、どうすれば良いのか。
十分に計算された広告戦略はこうした課題にベストアンサーをもたらすと共に、
お客様一人ひとりを商品まで導いていく役割も果たしてくれます。そんな、超優秀営業マンの
代わりになる事例として、通信販売の広告戦略があると目を付けました。 様々な商品を、高い費用対効果で販売していく。
その広告の向こうには、どんな戦略や意図があるのか。
実際の広告を例に挙げながら探っていきたいと思います。

通販広告自習室Vol.9

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消費者の目線に立つことで、
興味を持ってもらう方法があります。

悩みやコンプレックスを解消する商品が多い通販広告。

 通販広告のチラシには、“商品に興味を持ってもらう”、“商品を理解してもらう”、“商品を注文してもらう”という3つのステップが集約されています。その中でも、 “商品に興味を持ってもらう”という最初のステップは特に大切です。通販広告では健康食品や化粧品の広告が多く、消費者自身の悩みや不満、コンプレックスを解消するための商品が大半を占めています。そのため広告を見る人に対して、どんな悩みを持っている人のための商品なのかをしっかりと伝えることが最初のステップになります。
そこで「共感型のアプローチ」という視点から、消費者に興味を持ってもらうための表現を考えたいと思います。

消費者を振り向かせる共感型のアプローチ。

 毎日大量に新聞に折り込まれるチラシの中で、消費者の目に留まるためには、一瞬で興味を持たせる工夫が必要です。商品の名称や成分をいくら声高にアピールしても、消費者はなかなか振り向いてはくれません。興味を持ってもらうためには、まず消費者にとってどんなメリットがある商品なのかを伝えなければなりません。つまり、「つかみ」が大切というわけです。そこで効果的なのが、「共感型のアプローチ」です。「共感型のアプローチ」とは、消費者が共感しやすい言葉やビジュアルで興味を惹かせる手法です。一般ユーザーの目線に立った広告表現や第三者による推薦コメントなどがこれに当たりますが、今回は、一般ユーザーの目線に立った広告表現に限定して考えることにします。
 「共感型のアプローチ」には、大きく分けて2つの方向性があります。ひとつは、消費者の悩みやコンプレックスを代弁する方向性。
もうひとつは、使ってみたユーザーの実感を声にする方向性です。まずは、消費者の悩みやコンプレックスを代弁する方向性の代表的なパターンを見てみましょう。

通販チラシ
消費者の悩みやコンプレックスにダイレクトに訴える。

 サントリーによる「ラクテクト」というサプリメントの通販チラシです。
ターゲットは50歳以上の中高年。チラシを読むと、余計なものをカラダに「入れない」、「溜めない」、「増やさない」、「働かせない」性質を持つ「ラクトバリア成分」が、理想の体型をつくるとうたわれています。どうやら太りにくいカラダをつくるサプリメントのようです。そこで、注目したいのが紙面の右半分です。「昔のスカートがきつくなった」というキャッチコピーが大きく入っています。その横には、「食べる量は変わってないのになぜか、ぽっこり…」「太ってきたせいか、歩くのがおっくう」「なんとなく出てきた…」といったサブキャッチコピーとイラストが添えられています。心当たりがある人は、この商品を使ってみてくださいというわけです。消費者の悩みやコンプレックスを表現することで共感の獲得を狙った、典型的な「共感型アプローチ」といえるでしょう。

通販チラシ
消費者「あるある」こそが、共感の決め手。

 次は、商品を使ってみたユーザーの実感を声にする方向性を見てみましょう。新日本製薬による「ロコアタック」というサプリメントの通販チラシです。軟骨そのものをつくる成分「プロテオグリカン」を配合することで、「立つ」、「歩く」、「座る」といった動作をサポートする製品なのですが、「ラクテクト」の通販チラシと同様、紙面の右側に大きく「立ったまま靴下がはけました」というキャッチコピーが入っています。立ったまま靴下がはけないというのは、加齢により体が硬くなった人々に共通の実感ではないでしょうか。これは、いってみれば消費者にとっての「あるある」を逆手に取った手法といえるそうです。消費者が「そういうことってあるよね」と実感できるポイントをいかに上手にすくい上げられるかが鍵になります。そのような意味で、このチラシの表現は消費者の心に届く秀逸な表現といえるのではないでしょうか。

「ラクテクト」「ロコアタック」のポイント

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