通販広告自習室
通販広告自習室
その課題、広告で解決できます。
この事例、広告戦略に活かせます。
広告は、様々な課題を解決していくための有効な方法です。
例えば、まだ誰も知らない新商品を、どうすれば多くの人々が認知できるか。
狙ったターゲットが商品を購入するためには、どうすれば良いのか。
十分に計算された広告戦略はこうした課題にベストアンサーをもたらすと共に、
お客様一人ひとりを商品まで導いていく役割も果たしてくれます。そんな、超優秀営業マンの
代わりになる事例として、通信販売の広告戦略があると目を付けました。
様々な商品を、高い費用対効果で販売していく。
その広告の向こうには、どんな戦略や意図があるのか。
実際の広告を例に挙げながら探っていきたいと思います。
通販広告自習室Vol.8
一般的な広告と通販広告には
大きな違いがあります。
それは、一般的な広告の場合、商品やサービスに関心を持ってもらえれば、ひとまず成功といえるのに対して、通販広告は読者に購買までの行動を起こさせなければならないということ。当たり前のことかも知れませんが、通販広告の商品には売り場がありません。通販の場合は広告だけで購入してもらわなければならないので、コピーやビジュアルの表現にも、購買行動へとダイレクトにつながる工夫が必要となります。 そこで、私たちは実際の通販広告を参考にしながら、さまざまな角度から、通販チラシの“売りにつながるポイント”を考察してみることにしました。
対面販売のイメージが強い化粧品市場も、
いまや15%は通信販売。
かつては対面販売や訪問販売のイメージが強かった化粧品ですが、現在では通信販売を代表する業種のひとつになりました。あるデータによると、化粧品市場の約15%を通信販売化粧品メーカーが占めているそうです。基礎化粧品と呼ばれるスキンケア商品が中心で、サンプルを請求して試してみてから購入できることが人気の理由とか。
しかし、近年では大手化粧品メーカーも通信販売化粧品史上に参入を果たすなど、競争が激化してきているため、先行する通信販売化粧品メーカーは安穏としてはいられない状況になってきているといいます。そこで、今回は通販の王道ともいえる基礎化粧品の通販チラシを取り上げて、購買アクションにつながるポイントを探ってみました。
キャッチコピーに年齢が入っていると
ターゲットに届きやすい。
今回ピックアップした美カンヌ化粧品の夜用美容ジェル「ナイトリッチブルーオーラEX」のチラシでは、「60歳からの逆転勝利!」という力強いキャッチコピーが目を惹きます。このように、ターゲットに直接呼びかける手法は、健康食品や化粧品の通販チラシではしばしば見られる手法です。他にも似たようなケースがないか調べてみたところ、サントリーのサプリメントのチラシでは、冒険家の三浦裕一郎さんの写真に、「80歳の三浦さんが欲しかったもの 筋肉成分×軟骨成分」というキャッチコピーが添えられていました。
また、オルビスのシワが消える口紅のチラシでは、女性の口元の写真に「この唇、何歳に見えますか?実は49歳です」というキャッチコピーが付けられていました。
商品の特徴を表すキーワードは、“繰り返して印象づける”のが通販チラシの鉄則?
キャッチコピーを受けたリードコピーの中に、「肌は排泄器官。だから、浸透させない化粧品」とあります。この「浸透させない化粧品」が、「ナイトリッチブルーオーラEX」の特性なのですが、同時に美カンヌ化粧品という企業のスローガンにもなっています。チラシの隅を見ると、企業ロゴとセットで「肌のために浸透させない」というタグラインが目に入ってきます。通販を中心に展開している企業の場合、独自の製法や原料を売りにしているところが多く、その部分をいかにしっかりと伝えるかが大手メーカーとの差別化ポイントといえそうです。そうした視点でチラシの構成要素を見てみると、リードコピーだけでなく、紙面のいたるところに、これでもかといった具合に「浸透させない」というキーワードがちりばめられていることに気がつきます。
じかに肌に触れる商品だから、開発者のコメントがあると安心。
化粧品の常識を逆手に取った「浸透させない化粧品」というキーワードには、非常にインパクトがある反面、奇をてらった商品と思われるリスクもあると思われます。そこで、商品の信頼性を高めるために美カンヌ化粧品が取っている手法を見てみます。それは、専門家や開発者のコメントを掲載するという手法です。チラシの中面では、共同開発者の名誉教授、研究開発顧問の医学博士、開発プロデューサーの3者が登場。たっぷりと誌面を割いて、商品へのこだわりや思い入れをそれぞれの言葉で語っています。そうすることで、信頼できる商品だということを読者にアピールしています。加えて、このチラシでは、愛用者の声も掲載しています。広告だけで購入してもらうためには、信頼感や安心感の醸成が欠かせないポイントといえそうです。