トリテク~スマホで広告動画を撮るための基礎知識&ちょっとしたテクニック VOL.10 カメラアングルを色々試してみよう
広告動画をスマホで撮影するちょっとしたテクニック。 今回は「カメラアングルを色々試してみよう」です。
最初に、言葉の説明をしましょう。
「アングル」とは角度の事です。 その角度によって「ローアングル」「水平アングル」「ハイアングル」の3つがあります。 あまりカメラに詳しくない人でも「ローアングル」という言葉は聞いた事があるのではないでしょうか。 「ローアングルで撮影すると足が長く見える」なんて話も聞いた事があると思います。
地面に近い低い位置から斜め上に向けて撮影する事を「ローアングル」と言われるのですが、ここには若干の誤 解があります。 「ローアングル」とは斜め上に向けて撮影する事であって、その撮影位置の高さは関係ありません。 地面に近くなくても、斜め上に向けて撮影すれば「ローアングル」です。 高いビルを見上げて撮ったり、桜の木を見上げて撮ったりするのも「ローアングル」です。
撮影する高さに関係なく、斜め上を向けて撮影すれば「ローアングル」と呼ばれます。 そして斜め下に向けて撮影するのが「ハイアングル」、カメラを傾けず水平に撮影するのを「水平アングル」と呼 びます。
撮影する高さは「ポジション」です。 カメラマンの目線より高い位置から撮る事を「ハイポジション」、目線より低い位置から撮る事を「ローポジショ ン」、目線の位置から撮る事を「アイレベル」と呼びます。
一般的に「ローアングル」と聞くと、ローポジションからローアングルで撮る事を想像しがちですが、ハイポジ ションやアイレベルから撮影する「ローアングル」もあるという事です。
では用語がわかったところで、それぞれのアングルのメリットについて説明します。
水平アングル
水平アングルのメリットは簡単に言うと「安定感」です。 視聴者が普段見る景色と同じなので、親しみやすくわかりやすいです。 商品を説明する人物や景色などを「見たまま」に撮影する事で安定感のある画面になります。 逆に、小さな商品やペットや赤ちゃんなど「普段は見下ろして見るもの」をあえて水平アングルで撮影すると普 段の目線と違う強調された画面になります。
ローアングル
ローアングルのメリットは、「迫力・威圧感」です。 普段見慣れたものでも、ローアングルにすることでカッコよさや迫力を感じさせる事ができます。 一般的に普段私たちはものを見上げる事は少ないので、画面にインパクトを与える事ができます。
ハイアングル
ハイアングルのメリットは水平アングルに似ています。 食べ物や商品などを私たちは普段斜め上から見ているので、いつも見ているのと同じ安定感ある画面になります。 商品の全容がわかりやすく、違和感がありません。 景色なども私たちは高いところから景色を見ることはよくあるので安定した画面になります。 逆に、普段ハイアングルで見ないものをあえてハイアングルで撮影するのも面白いです。 例えば人物などをハイアングルで撮影すると、人物を客観視しているような、俯瞰で見ているような印象を与え ます。
また、極端なハイアングルと言うのでしょうか。垂直から見下ろすアングルもあります。 こちらも普段見慣れない画面ですのでインパクトがあり、なおかつ全体がわかりやすいので料理映像などの手作 業の映像で使われたりします。
いかがだったでしょうか。 何を撮影するかによって、どのアングルが自然でどのアングルがインパクトあるか、変わります。 また、撮影するモノ自体の角度を変えるという考え方もあります。 例えば、化粧品の瓶は普通立てて置くものですが、あえて寝かせて置いて真上から撮影するとこんな撮影もでき ます。
商品そのものは水平アングルで撮影した場合と同じ「商品デザインのわかりやすさ」があり、しかし画面全体で はインパクトを与える事ができます。 ちょっとした工夫、ちょっとしたアングルの違いでイメージは変わります。 ローアングル、ハイアングルなどの言葉を難しく考える必要はありません。 今回紹介したメリットなども覚える必要はありません。 撮影前に「少し違う角度で撮ってみようかな」と試してみてください。 それが印象的な映像づくりに繋がると思います。 もちろん、凝り過ぎてもおかしな映像になりますから、誰でも思いつく基本的なアングルも大切です。 ぜひいろいろ試してみてください。