トリテク~スマホで広告動画を撮るための基礎知識&ちょっとしたテクニック VOL.9
ホワイトバランスを調整しよう
広告動画をスマホで撮影するちょっとしたテクニック。 今回は「ホワイトバランスを調整しよう」です。
まず、ホワイトバランスとは何でしょう。 簡単に言うと「色合いを調整して白いものを白く写す」という事です。 私たちは様々な色の光の中で生活しています。 例えば電球の明かりの下だと全体が黄色やオレンジっぽくなりますね。 そんな明かりの中でも私たち人間の目では白いものは白いとわかるし、他の色も判断できます。 しかしカメラで撮影する時は、白いものがオレンジに染まって見えると困ります。 (もちろんわざとそのまま撮影するのなら構いません) それをカメラの機能で補正するのが「ホワイトバランス」です。
光の色合いは「色温度」で表されます。
色温度の単位は K(ケルビン)です。 色温度が低いと赤く、色温度が高いと青くなります。 昼間の太陽光だと 5500K、白熱電球だと 3000K ぐらいですね。
カメラのホワイトバランスの設定を見ると、オート・太陽光・日陰・曇り・電球・蛍光灯・手動などの項目があ ります。
「オート」はその名の通り、カメラが自動的に判断してホワイトバランスを調整する機能です。 だったら簡単だしオートでいいんじゃないの?と思われるかもしれません。 しかし、オートだと撮影するたびにその都度設定が変わってしまいます。 例えば動画で人物を撮影していて、一旦撮影を止めて、アングルを変えるとオートで先ほどの設定とは別の設定 になってしまいます。 そうするとシーンが変わるごとに写したい人物の肌の色が変わる事になってしまいます。 なぜそんな事が起きるかというと、この世界には光源がたくさんあって混ざっているからです。 外からの太陽光と蛍光灯の光とそれらが反射する光などが混ざっていて、アングルを変えるとそのバランスが変 わってしまい、「オート」はそれに反応してしまうのです。 同じ時間に同じ場所で撮影した写真なのに、これとこれは色味が違うなあっていう経験、みなさんもあるのでは ないでしょうか。
広告動画の撮影でそんな事が起きては困ります。 ですから、ホワイトバランスは固定して撮影しなければなりません。
普通に撮影するのであれば、それぞれのシーンに合わせて太陽光・日陰・曇り・電球・蛍光灯などのシーンモー ドを選びましょう。 色温度の順に並べると「電球」→「蛍光灯」→「太陽光」→「曇り」→「日陰」となります。 実際にホワイトバランスを変えてみて、適したものに合わせてください。
また、電球の光の下で撮影するからと言って、必ずしも「電球」に合わせなければいけないわけではありません。 あえて違う設定にして実際とは違う色味にするというテクニックもあります。 例えば「日陰」や「曇り」に設定すると赤や黄色などの暖色系の色味が強くなるので、暖かみのある色味で撮影 ができます。
ご自身の手でカメラをいじっていろいろチャレンジしてみてください。 撮影が更に楽しくなると思います。
では、最後にスマホでのホワイトバランス調整のやり方を説明します。 Android は機種ごとに違うので、iPhone で説明しましょう。 …と言いたいところですが…。
何と…iPhone の純正カメラアプリには、ホワイトバランスの調整機能がありませんでした! という事で今回のお話は全部意味がありませんでした!ごめんなさい!
…というわけにはいきませんね。 ご安心ください。純正カメラアプリには無いだけで、他のカメラアプリを使えばホワイトバランスを設定できま す。
こちらは私が使っている Adobe Lightroom アプリのカメラにあるホワイトバランス設定画面です。
「WB」はホワイトバランス(White Balance)という意味です。 スマホに限らず、カメラの設定ではこのように「WB」となっている事がよくあります。 「WB」を選ぶとその上に AWB(オート)、電球、蛍光灯、太陽、曇り、スポイト(手動)などのアイコンが並 んでいますね。
この中から好きなものを選ぶだけです。 このアプリは私がホワイトバランスを調整したい時に使っているだけで、特におすすめというわけではありませ ん。
このアプリのようにホワイトバランスの設定ができるアプリは他にもたくさんあります。 無料のものから有料のものまで色々ありますので、自分にあったものを探してみてください。