トリテク〜スマホで広告動画を撮るための基礎知識&ちょっとしたテクニック VOL.4 映り込み注意

2022.09.12

広告動画をスマホで撮影するちょっとしたテクニック。
4 回目は「映り込み注意」です。

撮影をする時、動画だけでなく写真撮影の時も気をつけたいのが「映り込み」です。 映り込みというのは、意図しないものが映ってしまう事です。 映り込みにもいくつか種類があり、それで起きるトラブルも違います。

動画のイメージと違うものが映ってしまう

まず 1 つ目は、動画のイメージと違うものが映ってしまうパターン。 綺麗に商品を紹介したいのに、背後に余計な荷物が映ってしまったり、裏方のスタッフが映ってしまったり。 これは動画の印象としてはマイナスになってしまいます。 例えば料理をしているシーンでも、美味しく出来上がっていく食材だけを撮影できればいいですが、剥いた皮を 捨てた三角コーナーが映ったら台無しですよね。

テレビ番組や YouTuber さんはそれらに細かく気を配って撮影をしています。 でも初めて動画を撮影する人は、そこに気が付かない人が多いのです。

映り込みで肖像権をおかしてしまう

2 つ目は、映り込みで肖像権をおかしてしまうパターン。 例えば店の外観を撮影や店内から窓の外を撮影した時に、街を歩く全く無関係の方が映ってしまう事があります。 肖像権というのは特に明文化された法ではありませんが、映ってしまった人物からクレームが来た場合はトラブ ルになってしまいます。

場合によっては動画の公開を止められたり、損害賠償になるケースも考えられます。

著作権をおかしてしまうパターン。

3 つ目は、著作権をおかしてしまうパターン。 例えば店にポスターを飾っていたり、キャラクターの描かれたシャツを着て撮影をしてしまった場合。 そのポスターやキャラクターには著作権があります。 それが著作権を侵害しているかどうかの線引きは難しく、意図せず映り込んだだけの場合は許されるケースも多 いです。
しかし、余計なトラブルを起こさないに越したことはありません。 著作権者がクレームを言ったという話題だけで広告が台無しになってしまう可能性もあります。

また映り込みとは違うのですが、音声つきの動画を撮影する場合は、店内や街で流れる音楽が収録されてしまう 事もあります。
音楽にも当然著作権があり、ここで別の問題が起きる事があります。
YouTube などの動画サイトに動画を投稿すると、動画の音声を AI が自動でチェックし、著作権のある音楽が含 まれてないか判別されてしまいます。 著作権のある音楽が含まれていると判断された場合、その動画の公開範囲が著作権者によって決められてしまい ます。 分かりやすく言うと、流れている曲によって公開ができなかったり、公開する国を指定されたり、他サイトへの 動画の埋め込みを禁じられたりします。

また、動画の収益化もできない事があります。
一般的なお店や街の BGM 程度なら音は小さいので問題は起きにくいのですが、音楽がガンガン鳴っている場所

での撮影時は気を付けた方がいいでしょう。

映したいものが見えにくくなってしまう

4 つ目は、光の反射などで映したいものが見えにくくなってしまうパターン。
これは、光の映り込みですね。 例えば商品が反射しやすいツルツルした素材の場合、そこに光が反射してしまって商品の模様が見えにくくなる 事があります。 これは皆さんもスマホで商品写真を撮影したり、ちょっとしたメモを撮影したりした時に経験があるのではない でしょうか。 蛍光灯の光が白く反射してしまって商品名やメモの文字が見えづらくなった経験、ありませんか? また、光だけでなく影も天敵です。

商品の一部にだけ影が入って暗くなってしまう事もあります。 静止画なら加工で何とかする方法もありますが、動画の場合、加工は基本的に無理です。

以上、映り込んでしまうものとそれによって起きるトラブルを紹介しました。 実は「多少は大丈夫」なものも多いのですが、手間をかけて作る大事な広告動画ですから、余計なトラブルは回 避したいです。
これらを回避するにはどうしたらよいのでしょうか。

これはもう「気を付ける」しかありません。 まず無関係の第三者があまりいない所で撮影をしましょう。 店内や社内で映す場合は、映していい備品かどうかをチェック。 人物撮影の場合は、衣装も気を付けてください。 被写体の背後や周りに余計なものが映っていないか画角をチェック。 カメラを動かす場合は、動かす途中や動かした先に何が映るかもチェックする。 あと気を付けたいのは鏡やガラスですね。 反射してカメラマンが映ってしまったり、ゴミ箱が映ってしまったり。 鏡に裏方スタッフが変な角度で映ってしまって心霊写真みたいになってしまう恐れもあります(笑)。 ガラスの向こうの景色も気を付けたいです。 店内をおしゃれに飾っていても、外の風景もおしゃれとは限りません。 外の景色が映ってもいいかどうか、判断すべきです。 カメラの角度、被写体との距離、ライトを使う場合はライトの位置などで映るものは変わります。 撮影時はどうしても被写体にばかり気をとられがちです。

しかし、撮影前に一呼吸おいてください。 そして、録画ボタンを押す前のスマホの画面に映っているもの全てを隅々までチェックしてください。 撮影中も、被写体と録画画面とその周囲を常にチェックしましょう。

前回もお話ししましたが、撮り直しは手間も時間もかかります。お金がかかる事もあります。 撮り直しがないよう、「映り込み」にはくれぐれも注意をしてくださいね。