この広告に注目!VOL.9デジタルサイネージって、いまどうなの?

コピーライター KEN
2023.05.16

みんなに伝わる。伝えたい人に伝わる。両方できるのがデジタルサイネージ。

現在のようなデジタルサイネージを活用した広告が、本格的に世の中に登場したのが2010年代。今では街で、電車やタクシーの中で、店の外や中で1日に何度となく接するものとなっています。

これだけ広がったのは、相反するようでありながら、利点を上手く活用できる特徴を備えているから。その一つが、ターゲットを選ばす、多くの人々の目に触れるメディアであることです。街を歩いている人、電車に乗っている人、お店に来た人みんなが、そこに設置されたモニターを見ることができるため、伝えたい情報を、幅広く届けたい時は最適なメディアと言えます。 もう一つが、今の話とは真逆の特徴。限られた人に、届けたい情報を伝え、行動するきっかけになることです。モニターに映す内容を、時間帯や立地環境などに合わせて変えられるので、狙ったターゲットのアクションにつなげていけます。今やオールドメディアと言われる新聞や雑誌では対応できないスピードで、より細かなセグメントができる特徴が威力を発揮します。

ファミリーマートのレジ上にある、3連スクリーンは何?

前述した特徴を、効果的に使っているのがスーパーやドラッグストア、コンビニなどの店舗内にあるデジタルサイネージ。商品の棚に設置された小型モニターでは、近くに並べられた商品の広告だけでなく、食べ方、使い方などを紹介する動画が流され、購入する動機付けとなっています。

こうした効果をさらに高めるとともに、もっと多様な生かし方に取り組み、話題を集めているのがファミリーマートです。主にレジカウンターの上に、42〜65インチの大型スクリーンを3連結して設置。来店した人々が必ず通る場所で、視認性を高めるレイアウトにしています。また、店内に設置された高性能スピーカーが、注目度をアップするためにひと役買っています。

肝心のコンテンツは、店頭の商品広告のほか、エンタメ情報やニュース、地域情報などの映像コンテンツが中心。ニュースやクイズ、アート、ミュージックビデオ、お笑いコンテンツなどさまざまな情報を含み、中にはインフルエンサーによる動画もあるようです。内容をカスタマイズできるデジタルサイネージならではの特徴を生かし、東海地方のメーカーとコラボした弁当とサンドイッチのオリジナル商品の紹介を東海地方限定で行うなど、地域に根差した情報を地域ごとに配信することも始めています。

配信した商品は売上が20%アップ。これ以外に、社会的な役割も。

FamilyMartVision(以下Vision)と名付けられたこのデジタルサイネージは、全国に約16,600店あるファミリーマートのうち、2022年には約3,000店に設置が完了。2023年度中に、設置可能な全店への設置を計画しているようです。Visionを知っているという認知率は、なんと70%というハイスコア。全店舗合わせて1日に約1,500万人の老若男女が来店するため、現状の設置店舗数を基にざっと計算すると、1週間で約1,900万人がVisionに映し出される情報と接していることになります。

設置を積極的に進めているのは、その効果が高いから。店頭商品の広告を配信したところ、売上が20%以上アップしたという実績が背中を押しています。こうしたビジネス以外にも、Visionの活用方法はありそうです。例えば、災害時にコンビニが果たす役割の大きさを考えると、例えば避難先や今後の見通しなど、必要な情報を提供するメディアとしても生かせそうです。

ちなみに、店内にはAIカメラが設置されていて、情報を目にしている人の性別や年齢層などの判定に役立てられているとか。デジタルサイネージの次は、AI!また一つ追究する項目が現れたようです。

※FamilyMartVisionに関する情報は、株式会社ファミリーマートが発表したニュースリリースを基にしています。

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https://www.family.co.jp/company/news_releases/2022/20220627_01.html