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その課題、広告で解決できます。
この事例、広告戦略に活かせます。

広告は、様々な課題を解決していくための有効な方法です。
例えば、まだ誰も知らない新商品を、どうすれば多くの人々が認知できるか。
狙ったターゲットが商品を購入するためには、どうすれば良いのか。
十分に計算された広告戦略はこうした課題にベストアンサーをもたらすと共に、
お客様一人ひとりを商品まで導いていく役割も果たしてくれます。そんな、超優秀営業マンの
代わりになる事例として、通信販売の広告戦略があると目を付けました。 様々な商品を、高い費用対効果で販売していく。
その広告の向こうには、どんな戦略や意図があるのか。
実際の広告を例に挙げながら探っていきたいと思います。

通販広告自習室Vol.6

新聞媒体を効果的に使う方法、通販広告が教えてくれます。

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通販チラシ
インターネットが台頭し、マス媒体の雄、
新聞の役割が低落傾向に。

 広告を出稿する媒体として「マスコミ4媒体」と呼ばれているものがあります。
テレビ、新聞、雑誌、ラジオのことを言い、日本の総広告費の約半分をこれらマス媒体が占めています。2012年の総広告費に占める4媒体の構成比率を見てみると、
合計5兆8,913億円のうち30.2%がテレビ、10.6%が新聞、4.2%が雑誌、2.1%がラジオとなっています。
 しかし、私たちの日頃の行動を考えるとこの4つだけでは何かが足りない。そう、インターネットが入っていません。この新参者が総広告費に占める割合を振り返って見ると、08年10.4%、09年11.9%、10年13.3.%、11年14.1%、12年14.4%と、かなりのスピードで広告媒体としての役割を広げています。新聞と比べると、09年にインターネットが逆転をして以降、その差は開くばかりです。

ターゲットを考えて、あえて新聞を使った通販広告。

 12月の週末に新聞を開くと、高温スチームを使ったクリーナーの通販広告をたびたび目にしました。言うまでもなく大掃除需要を狙った広告で、販売元はショップジャパン。テレビの通販番組で良く目にする名前です。ホームページを見てみると、家電、生活グッズ、DIY用品から健康食品、エクササイズマシンなど、多彩な商品が紹介されています。「世界中のワクワクするような商品やサービスで、お客様の『より豊かなライフスタイルの実現』をサポートします。すべてのお客様に、感動、驚き、よろこびあふれる『WOW!』のある毎日をお届けします。」というショップジャパンの約束がホームページには記されていました。ちなみに、かつてハードなダイエットプログラムながら大ヒットした「ビリーズブートキャンプ」もショップジャパン発の商品でした。
 テレビ、インターネットを駆使してこれほど情報を発信しながら、先程述べたように“最近少し元気がない”新聞をショップジャパンが使用しているのは、どんな理由があるのでしょうか。新聞広告の特性は、様々な世代がそれを目にすること。また、パソコンを起動させることもなく、開けば見ることが出来ること。いつでも、誰もが、簡単に触れられることにあります。ショップジャパンが新聞媒体を使用して商品告知を行うのは、このメリットを実感できる世代が顧客に多いのではないか、と想像します。商品構成から推察すると、ネットを駆使する世代ではなく、もう少し上のミセス、さらには高齢者がターゲットとして見えてきます。

セールストークが聞こえる広告。それが狙いの紙面づくり。

 高温スチームクリーナーの広告、その表現を見てみることにしましょう。テレビやインターネットでは、使い方やその効果を動画で見ることができます。かつて、百貨店などで行われていた実演販売、あの驚きと楽しさがショップジャパンの動画にはあふれているのです。しかし、それができない新聞広告では、どのように「WOW!」を伝えていくのでしょうか。
 以前この自習室で、広告はメッセージを絞り込み、引き算でつくることの効果をお話しました。この新聞広告のメッセージは、「高温スチームだからあらゆる汚れが落ちる」という商品特長、そして「家中これ1台でピカピカになる」というユーザーメリットに絞られています。ただ、ショップジャパンの広告の特長はここから。動画で見せることができない分、これでもかと多彩な手法を繰り出してきます。まず、なぜ汚れが落ちるのか、なぜ除菌できるのか、という機能紹介を図やグラフも使って行った上で、その証となる写真を掲載。そして、実演に代わって効果を伝えるユーザーボイスは、ゴージャスに4人のタレントがその役割を担っています。高橋ジョージ・三船美佳ご夫妻は、おしどり夫婦としてバラエティ番組に良く登場し、好感度の高さが魅力。家庭用品の推薦者として最適とも言える人選です。うつみ宮土理さんの声は、手間や時間をかけず、効率的に掃除を済ませたい人たちに訴えるチカラ十分。早見優さんは、家族のことを考え除菌を訴えるなど、役割分担がしっかり行われています。
 新聞広告は商品や企業イメージを伝えるために、美しいビジュアルと効果的なキャッチフレーズ、若干のボディコピーで構成する。そうした公式があるとすれば、ショップジャパンの広告はまったく逆の道を歩いています。一つのメッセージを三重、四重に伝え、目にした瞬間に販売員のセールストークが聞こえてくるような気にさせる演出は、ターゲットの購買動機を高めていく効果は十分。臨場感が広告にも有効であることを気付かせてくれる好例です。

3つのチェックポイント

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