期間限定の魔法
2011 年 5 月 19 日牛丼チェーン店が期間限定で値下げ合戦をする。たかが牛丼一杯に20分待ちなどということになる。それほどの大幅値下げでもなく、もちろん20分待つほどの価値があるわけではないのに。それは何故か?メディアプランナーの草場滋氏によると「期間限定のお祭りに乗り遅れたくない」と思うからだという。マクドナルドが期間限定で打ち出す商品も同じ事が言えるそうで、商品力に魅力はあるもののレギュラーメニューに比べれば相当な割高であるにも関わらず惹かれてしまうのは「期間限定」であるから。それは、「大学生活は4年間しかない。とにかく色々チャレンジしてみよう」という終わりがあるから楽しもうという感覚に近いという。
桜が年中咲いていたらお花見などという行事はあったであろうか?高校野球の甲子園大会が年2回ではなく年4回開催されたら選手たちに対する感動は今と同じだろうか?毎日が日曜日だったら週末を楽しみにするだろうか?なるほど、たしかに期間限定だからこそ楽しめる。
人々は「日常」の合間に終わりがある「お祭り」に胸を躍らせ、それに参加することでワクワクする。やはり期間限定は人々の心をくすぐる魔法をもっているようだ。私が家に帰り、風呂上がりのビールという「お祭り」にこの上ない幸福を感じるのは、労働時間という「日常」があるからこそなのだと声を大にして言いたい。
販促会議2011/4「終わりがあるから楽しいワタシ」より